不動産の買い手を自力で見つけることは簡単ではないため、不動産会社に物件売却を依頼することが一般的です。
より良い条件で売却するためには、不動産会社との綿密な打ち合わせが必要となりますが、打ち合わせをスムーズに進めるために売主サイドで行っておくべき事前準備についてご紹介いたします。
目次
より良い条件で売却するための「6つの事前準備」
「売却条件を明確化する」「売却物件の長所を把握する」「購入検討客の条件・特性を想定する」「周辺相場価格を調べる」「売却物件の掃除を徹底する」「売却物件の修繕必要箇所をリストアップする」という、「6つの事前準備」を不動産会社に問い合わせる前に行うことで、査定時の印象は大きく変わり、より良い条件で売却するための一歩となります。
『売却条件を明確にする』
「売れても売れなくても、どちらでもいい。」「売却時期にはこだわらない。」「希望の売却条件は特にない。」など、売却条件が明確になっていないと、買い手側も仲介を担当する不動産会社も戸惑ってしまい、商談は上手く進みません。
このような状態であれば、そこそこの条件の購入希望者が現れたとしても、すぐに決断することはできないでしょう。結果として、売却活動は不調に終わる可能性が高くなります。
事前準備段階で、「何の為に売却するのか」「いつまでに売却したいのか」など、目的や売却時期を明確化しておくことは、とても重要なのです。
『売却物件の長所を把握する』
買い手を探す際には、インターネット広告や紙媒体の広告が一般的です。
その際に「3LDK中古マンション2000万円で販売中」という広告よりも、「教育施設の充実しているロケーション、行政アンケートでも人気ランキング上位の行政区・子育てファミリーに最適な環境・眺望良好で花火大会も鑑賞できる南向きバルコニー・3LDK・マンションが2000万円!」とアピールする方が、子どものために広めの住宅を探している人や眺望重視で探している方の心に響くメッセージとなります。
例えば、『自宅から駅まで近い』『スーパーマーケットが近い』『小学校・中学校が近い』『ペット飼育可能』『築年数が浅い』『共用部分の清掃を清掃業者が欠かさず行い維持管理がしっかりしている』『物件は古いが大希望修繕をしキレイな外観・エントランスに生まれ変わった』等の、買いたいと思えるような物件の長所をきちんと把握し、的確に伝えることができれば、売却活動は成功する可能性が高くなります。
『購入検討客の条件・特性を想定する』
売却物件の長所を把握することができれば、「どのようなターゲットに向いているか。」「どのような相手が買ってくれそうか。」という想定をすることができます。
「ファミリーかそれとも単身者か」「若い人か年配者か」「自宅かセカンドハウス目的か」など、具体的なターゲット層をイメージすることで、どのようなタイミングで住宅を購入しようとしているのかも、ある程度想像することができます。
転勤、進学、税制改正など、毎年春には大きな変化があるため、不動産にとっても、年度の変わり目は大きなポイントになります。
結婚というライフイベントにおいても、結婚式シーズンがあり、真夏や真冬は避けられる傾向にあります。
子どもの進学時期に伴う住宅ニーズは、前もって必要時期が明確なため、買い手は余裕を持って新居を探し始めます。
ターゲットにあわせた広告時期を検討することで、売却はより効率的に進むことになります。
『周辺相場価格を調べる』
物件を売却する際には、不動産会社に依頼して価格査定を受けるという方法が一般的ですが、事前にある程度の周辺相場を知っておくことは重要です。
査定額の妥当性を判断し、信頼できる不動産会社かどうかを見極めるためにも、相場感を養っておきましょう。
国土交通省がインターネット上で無料提供している「土地総合情報システム」の中に「不動産取引価格情報検索」という項目があります。
これは、アンケート調査に基づいた取引価格情報を対象エリアごとに公開しているサービスで、取引価格の他に、駅からの距離、広さ、築年数まで表示されるので、類似物件を調べることができます。
また、不動産ポータルサイトに掲載されている物件情報からも相場観を掴むことができます。自宅付近の物件一覧の販売価格をチェックすれば、ご自分の不動産がどのくらいで売れるかの目安や予測が立てられます。
『売却物件の掃除を徹底する』
中古物件は、住む前にリフォームをする人が多いので、壁紙が破れていてもそれ自体を気にする人は少ないのですが、室内が散らかっている、汚いというのは、家そのもののイメージを下げてしまうので注意が必要です。
ゴミが放置されていたり、隅々まで掃除がされていないような家は、「前の所有者は家に対してしっかりとした手入れをしていない」というイメージを与えてしまい、たとえ建物自体に問題がなかったとしても、「悪いところも放置しているのでは?いや、こんなズボラな人はそれにすら気づいていないかもしれない」という印象を与えてしまいます。
バスルームやトイレ、キッチンなどの水回りは特に注意が必要です。排水口の髪の毛や便器のシミ、キッチンの油汚れがこびりついているのを見てしまうと、生理的に受け付けないという人も少なくありません。
価格査定の段階でも、きれいな部屋であれば不動産業者側も自信を持って売ることができるので、少なからず査定アップの可能性があります。
不動産売却で成功するためには、「きちんと掃除をしてから購入希望のお客様を迎える」ということが、想像以上に大切な要素なのです。
『売却物件の修繕必要箇所をリストアップする』
室内の小修繕や、外壁や屋根などの修理はお金がかかります。中古物件を売る前にお金をかけて修繕をしても、その修繕にかけた金額分高く売れることはほとんどありません。
DIYで修繕する方もいらっしゃいますが、下手に手を加えることで、逆に価値が下がってしまうこともあります。
どうしても気になる箇所がある場合は、それをリストアップし、「費用をかけて修繕したほうが高く売れるのか(売れやすいのか)」を不動産会社に確認しましょう。
多くの場合は、「修繕するよりも、その分値下げ幅を大きくしましょう」というような答えが返ってくると思います。
全面リフォームを前提で物件を探している方は少なくないため、修繕必要箇所をきちんとリストアップすることの方が喜ばれることも多いのです。
『まとめ』
「売れる状況が揃っていれば不動産は必ず売れる。」と言われますが、売却にかかる期間は物件によって様々です。
そこで今回は、「売却条件を明確化する」「売却物件の長所を把握する」「購入検討客の条件・特性を想定する」「周辺相場価格を調べる」「売却物件の掃除を徹底する」「売却物件の修繕必要箇所をリストアップする」という、売却前の「6つの事前準備」についてご紹介いたしました。
この6つのポイントを実践することで、高値売却、早期売却の可能性は高くなると考えられます。少しでも皆様の不動産売却の参考になれば幸いです。
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