不動産売却をご検討中の方であれば、「ホームステージング」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
売れにくい物件をよりスムーズに売却するための新手法として注目され始めている「ホームステージング」についてお伝えいたします。
目次
「ホームステージング」とは
「ホームステージング」とは、新築マンションのモデルルームのように、中古物件の室内を家具や小物などのインテリアで演出し、お客様からの評価を高める手法です。
一般的には居住者が退居した後に行われますが、居住中の物件でも家具の一部を運び出して、室内を整えるなどの演出も行われています。
照明も外された空室では、殺風景で暗い印象が強くなり、物件が持っている弱みが強調されてしまうことになります。
「ホームステージング」を行うことで、お客様は自分自身のこれからの生活をより強く実感できるようになり、物件に対してより良い印象を持つと期待されています。
欧米では一般的なホームステージング
ホームステージングは、1970年代のアメリカで生まれた不動産売却サービスの一つで、現在では専門会社が数多く存在し、「ホームステージャー」と呼ばれる専門職も社会的に認知されるなど、広く社会に受け入れられています。
高額物件を売却する際は、ホームステージングを行うのが当たり前と言われるほど一般化しており、イギリスやオーストラリアでも広く普及しています。
一般的には売主がホームステージング専門会社に依頼することが多く、家具のレンタルコストやコーディネート料などを含め、数十万円程度から行うことができるようです。
ホームステージングのメリット
物件に対する第一印象を大幅に改善するといわれるホームステージングですが、その具体的なメリットな何でしょうか。ここでは、ホームステージングのメリットを整理してみたいと思います。
高値売却のチャンスがある
ホームステージングが普及している欧米では、ガランとした空室のまま売りに出すよりも、家具や小物で飾った方が、明らかに高く売れる傾向にあると評価されています。
調査機関によって数値が異なるため、どれくらい高く売れるのかを断言することは難しいのですが、不動産取引の現場ではプラスの価値があると判断されているようです。
早期売却につながる
ホームステージングによって、インターネットや新聞折り込み広告に掲載する室内写真の見栄えが良くなり、反響アップが見込まれます。
物件内覧まで進めば、ステージングの効果は更に高く、第一印象が格段に良くなることで、成約率も上昇すると考えられます。
欧米の調査でも、売却期間が大幅に短縮されたとする調査結果が出されるなど、早期売却にも一定の効果が期待されています。
売却後のトラブル軽減
空室状態で売りに出された中古物件を購入し、実際に家具を入れて生活を始めると、当初想像していたよりも狭く感じることがあります。
このようなマイナスの感情は、他の不具合を発見したときに増幅され、思いがけず大きなトラブルに発展することがあるため、注意が必要です。
ホームステージングによって、実際に家具や小物が入った状態を体感することができれば、購入前と新生活時のギャップが埋まり、トラブル軽減につながると考えられています。
まとめ
中古住宅流通よりも新築住宅供給が主流だった日本では、新築マンションのモデルルームは一般化していますが、中古住宅に対するホームステージングは普及してきませんでした。
しかし人口減少が進む中では、中古住宅間の競争が激しくなることも予想され、物件を売り切るためのサービスとして、ホームステージングに取り組む不動産会社も増えてきそうです。
投稿者プロフィール
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株式会社リファインド
宅地建物取引士・住宅ローンアドバイザー
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